パワートレインとは

パワートレインとはエンジンが生み出した回転エネルギーを駆動輪へ伝達する装置類の総称です。エンジンやトランスミッション、クラッチ、プロペラシャフト、ディファレンシャルギア、ドライブシャフトなどの動力伝達装置全体のことで「駆動装置」「ドライブトレイン」とも呼ばれています。

パワートレインの構造はAT(オートマチック・トランスミッション)やMT(マニュアル・トランスミッション)、FR(フロントエンジン・リアドライブ)やFF(フロントエンジン・フロントドライブ)など車種によって大きく異なります。

例えば、FR車のようにフロントエンジンに対して駆動輪が後輪という場合は、トランスミッションから後輪のドライブシャフトやディファレンシャルギアまでをプロペラシャフトで接続して動力を伝えます。一方のFF車の場合、エンジン・駆動輪ともに車体前部にあるため、トランスミッションとドライブシャフト、ディファレンシャルギアが直接接続されています。

またMT車の場合は、エンジンからの動力をトランスミッションやクラッチを配置することで伝達しますが、AT車の場合は自動クラッチのような役割を果たすトルクコンバーターによって駆動させています。

このようにエンジンからドライブシャフトまでの動力装置全体をパワートレインと呼びます。運転に関する動作はすべてパワートレインを通じて行われるため、自動車の中でも最重要のパーツ類と言えます。

事例:自動車部品の製作支援

レース用自動車エンジン部品製作支援

レース用インジェクターのニードルバルブ供給
年間最大3000本~4000本を供給
現在は、エンジン部品を主体に精密加工部品の供給に取り組んでいます。

相談の経緯:クライアントの協力工場で対応できるところがなく、当社に依頼が!
この自動車部品を依頼された経緯として、部品を依頼してきたクライアントの協力工場では対応できるところがなく、製作できる会社をいろいろ探していたそうです。そんなおり、車業界ではなく、カメラを中心に事業をしてきた当社にお声がかかりました。私たちは当時車業界ではなく、カメラ、光学部品を中心に事業展開をしていたのですが、カメラ部品の精度が高く、それらを担当している企業であれば、クライアントが要望するものを製作できるのではということで、お声をかけて頂き、そこから継続的にお手伝いをさせて頂いております。

精密加工部品例

  • バルブ(吸気バルブおよび排気バルブ)
  • インジェクターノズル(燃料噴射装置)
  • インテークマニホールド(吸気管)
  • エキゾーストマニホールド(排気管)
  • オイルポンプ
  • ウォーターポンプ
  • ターボチャージャー

自動車部品加工例1

自動車部品加工例7

自動車部品加工例6

自動車部品加工例4

自動車部品加工例3

自動車部品加工例2

自動車部品加工例5

自動車部品加工例1

構成部材例

動力ユニット

車の動力源となる装置のことで、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、電気モーターなどが挙げられます。また動力ユニット単体をパワートレインと呼ぶ場合もあります。

近年では、ハイブリット車のように電気モーターでエンジン動力を補うものや、電気自動車のように動力そのものを電気モーターに置き換えるものなど、自動車の電動化が急速に進んでいます。

トランスミッション

トランスミッションは「変速機」とも呼ばれ、様々な大きさの歯車を介してエンジンの動力を適切なトルクや回転速度に変速するための装置です。

エンジンの回転力をギアの噛み合わせによって変化させ、発進時は速度が遅い代わりに、大きなトルクを引き出し車体を動かします。次第にギアを上げることで変速していき、トップギアではエンジンの出力軸と直結させることで高速走行を可能にします。

トランスミッションの説明で度々例として挙げられるのが、自転車のギアチェンジです。自転車の漕ぎ始めや坂を登る際は、1速にギアを落とし、速度を上げるにつれて2速、3速と重いギアへ変速していきます。自動車の場合もこれと同様で、トランスミッションの働きによって速度を変化させています。

クラッチ

クラッチは、エンジンとトランスミッションの間に取り付けられており、エンジンの動力をトランスミッションに伝達したり、遮断したりコントロールするディスク型の動力伝達装置です。

エンジンはその構造上、停止状態からアイドリング状態までの回転数をコントロールすることができないため、クラッチを使用して動力を伝達・遮断し、車は発進・停止する仕組みとなっています。

なお、AT車やCVT(コンティニュアス・ヴァリアブル・トランスミッション)車にはクラッチは搭載されておらず、代わりに自動でクラッチ操作の役割を果たしてくれるトルクコンバーターが配置されています。

また電気自動車の場合、動力ユニットとなる電気モーターは起動時の0rpm状態から最大トルクを発生させることができるため、クラッチやトルクコンバーターと言った装置は必要ありません。

プロペラシャフト

プロペラシャフトとは4WD(4輪駆動)車やFR車に使用されている、車体中央を前後に走る回転軸のことで、エンジンと駆動輪が離れている場合に、エンジンの駆動力をデファレンシャルギアに伝達するための部品です。

そのため、FF車やMR(ミッドシップ)車のようにエンジンと駆動輪が近い構造の場合にはプロペラシャフトは搭載されていません。

デファレンシャルギヤ

デファレンシャルギアは、トランスミッション・プロペラシャフトからの動力をドライブシャフトに分配する装置のことで、左右の駆動輪の中央に配置されています。一般的に「デフ」と称されることが多く、日本語では「差動歯車」とも呼ばれます。

また駆動輪には左右で回転差が発生しますが、デファレンシャルギアはこの回転差を吸収・調整し、スムーズな旋回を実現するための装置としてほぼすべての自動車に搭載されています。

FF車なら車両前部、FR車なら車両後部にそれぞれ1つのデファレンシャルギアが搭載されていますが、4WDの場合は車両前部と後部に1つずつ計2つを搭載しています。

ドライブシャフト

ドライブシャフトとはエンジン・トランスミッションからデファレンシャルギアへと伝達された動力を、最終的にタイヤに伝えるための回転軸のことです。走行中は常に回転しており、路面状況に応じて上下左右に動作しながら駆動力を伝達しています。

アメリカでは上記「プロペラシャフト」のこともドライブシャフトと呼びますが、日本ではトランスミッションからデファレンシャルギアまでの中継軸をプロペラシャフト、前輪・後輪それぞれの駆動で使用される回転軸をドライブシャフトと分けて呼称します。