弊社はパーマロイの切削加工において数多くの実績を持っています。

透磁性が非常に高いという特性を持つパーマロイですが、難削材と呼ばれ、高精度で加工するためには工具選定、切削条件など確かなノウハウが必要です。

パーマロイとは

パーマロイはニッケルをベースとして鉄、モリブデン、銅、クロムなどを添加した合金です。Permeability(透磁率)とAlloy(合金)を組み合わせた造語で、名前の通り優れた透磁率を持つ金属材料です。

透磁率とは磁化しやすさを示す数値で、透磁率が高いほど外部から磁力を受けた際に磁力を引きつけやすくなります。

パーマロイはニッケルの含有率によって「78パーマロイ(含有率78%)」や「45パーマロイ(含有率45%)」など、いくつかの種類に分類され、特性や用途が若干異なります。

また同じくニッケルをベースとした合金には「インコネル」「ハステロイ」などがありますが、パーマロイはそれらの合金とは異なり、強度や耐熱性と言った機械的特性よりも、電気的特性を重視して採用されることが多い素材です。

パーマロイの特性

パーマロイは優れた透磁率を誇り、外部から受ける磁力の影響を受けやすい素材です。また一度磁力を受けた後も、保持力は極めて小さいため、素材自体が磁化することはないという特徴も持っています。

パーマロイの優れた透磁率を最大限引き出すためには「磁性焼きなまし」と呼ばれる熱処理が不可欠です。1000℃以上の高温下に晒すことで、パーマロイの透磁率は100倍近い数値まで飛躍的に向上します。そのため、パーマロイを使用する際は必ずと言って良いほど、磁性焼きなましを行うことが一般的です。

また焼きなまし処理には、不純物の除去や金属加工の歪み矯正と言った目的もあり、焼きなまし温度や冷却方法によって磁気特性が多少異なります。

さらにパーマロイには交流の抵抗を高める効果もあり、各種インダクターの分野にも応用されています。

パーマロイの欠点

パーマロイの欠点として1つ目は価格が高いことです。パーマロイの価格は同じニッケル合金の「インコネル」や「ハステロイ」と同程度で、一般的なステンレスの数倍と非常に高価です。

2つ目の欠点は加工が難しいことです。パーマロイは難削材と呼ばれる金属材料の中では比較的加工しやすい部類に入りますが、それでも様々な点に注意して加工を行わなければ工具の摩耗や破損を引き起こし、加工コストも大幅に上昇してしまいます。

パーマロイはニッケル合金特有の粘りに加え、熱伝導率が低い、加工硬化が生じやすい、工具材質との親和性が高い、といった難削材の条件をいくつも満たしています。

パーマロイの加工には確かな技術とノウハウが必要であり、実績を豊富に積んだ加工メーカーでなければ困難を要します。

パーマロイの利用用途

パーマロイは主に電気と磁気を併用する製品に用いられます。例としては音響機器、ハードディスクの磁気ヘッド、デジタルカメラなどが挙げられますが、これはパーマロイが不要な磁気を遮断する特性を持っていることが理由であり、磁気ノイズから精密機器を保護する目的で使用されています。

また集磁作用が高いため、磁気シールドルームや磁気シールドチャンバーなど、磁気が発生してはいけない場所にも使用されます。さらにパーマロイは入力された磁気に対して放出する磁気が増幅するという性質を持っているため、磁気センサーとしても利用されています。

このようにパーマロイは日常生活から専門分野に至るまで、実に多くの場面で活躍している金属材料です。

パーマロイの加工性質

パーマロイはニッケルベースの合金の中では比較的加工しやすい部類の素材ですが、特有の粘りがあることや、熱伝導率が低いこと、加工硬化が生じやすいことなど、様々な理由から切削加工は難しいとされています。

またパーマロイは工具との親和性が高く、加工箇所が熱を持つと切り屑や素材そのものが工具と溶着しやすくなります。一般的な工具で切削するとすぐに摩耗や破損、加工精度の低下などを引き起こしてしまいます。

従って加工の際には加工速度の調整はもちろん、加工箇所の冷却作業が非常に重要です。冷却作業において鍵を握るのは「切削油」の選定・供給です。切削油は冷却作用の他にも、工具の摩耗軽減や切り屑除去など、難削材の加工において様々な役割を果たします。

このように高精度でパーマロイを加工するためには、工具選定や切削条件など、蓄積された技術・ノウハウが欠かせません。

弊社はパーマロイをはじめとする難削材の加工において、数多くの実績を持っています。パーマロイの切削加工はぜひ弊社にお任せください。